創業70周年を迎えて

代表取締役社長小林 哲夫

平素より格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。

株式会社タイルメントは2023年10月1日をもちまして創業70周年を迎えることができました。これもひとえにお客さま、関係の皆さまのご支援ご協力の賜であり、日頃からのご厚情に深く感謝申し上げます。

当社は、1953年に創業者の小林盛人が日本国内で建築用接着剤を製造・販売する会社として設立しスタートいたしました。
その後、1988年に現在の社名「株式会社タイルメント」に改称し今日に至っております。
創業以来おかげさまで事業は順調に発展し、1961年には名古屋工場、1972年には大垣工場が竣工しました。特に大垣工場は市場ニーズの拡大に応じて幾度かの拡張を実施し、現在もなお当社の中心的な生産拠点として稼働を続けております。

代表取締役社長 小林 哲夫

一方で、伊勢湾台風による工場の水没や、オイルショック、東日本大震災、最近では新型コロナウイルスのまん延など幾多の困難にも直面しました。しかしながら、お客さまのご協力と当社従業員一同の努力により、その都度困難を乗り越え、現在のタイルメントを創り上げることができました。今改めて当社をお支えいただいたの皆さまに厚く感謝と御礼を申し上げる次第です。

本年、当社は70周年の節目を迎えるに当たり、「renew」をテーマとして掲げました。我々が築き上げてきた70年の歴史を基盤としながら、常に変化する社会環境に適応し、新たな価値の創造を追求してまいります。変化を恐れず、新しさを取り入れ、自ら追い求めること。新しいアイデア、新しい技術、新しい人材、すべてが当社の成長を牽引する重要な要素と確信しております。

今後も当社は、現場重視のスタンスを貫きつつ、「開発型企業」として新商品開発に注力し、安全・安心で快適な住空間づくりに適応した接着剤・設備材料の提供を続け、社会に貢献してまいります。
今後とも当社に一層のご支援とご指導ご鞭撻を賜り、末永くご愛顧いただきますようよろしくお願い申し上げます。

ー 未来を語る ー

仲間とともに、変わり続けるタイルメント
未来を担う若手役員からのメッセージ

取締役 須田 雅仁
取締役須田 雅仁

平素より格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。

当社はお客様のパートナーとして、常に現場の困り事や課題に対して丁寧に耳を傾け、独自のアプローチで付加価値を提供し、確かな品質面で選ばれる企業として成長してきました。お客様のニーズを深く理解し、柔軟な解決策を提案し、信頼性の高い製品やサービスを提供することを『最優先』としております。
そのためには、社内のチームワークと従業員の成長を重視し、知識やスキルの向上を支援します。

さらに、環境への責任を果たし、持続可能なビジネスの構築にも力を入れています。社会的なインパクトの最大化も重要な要素であり、地域社会や社会全体に対して積極的な貢献を行います。

常に業界のリーダーシップを確立し、お客様からの信頼を得ることで、長期的な成長と成功を共に追求していきたいと考えます。

取締役 木下 宗之
取締役木下 宗之

平素より格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。

当社は接着剤事業、設備材料事業を核とし、これまで成長してまいりました。『くっつける』ことに着目し、ただ『くっつける』のではなく、その過程で使用されるユーザー(職人さん、大工さん)より『使いやすい』というご評価を頂けるよう、製品開発を行ってきました。
これは当社の創業の原点であり、また『開発型企業』としての理念でもあります。この考え方は今後も変えることなく継承していくべきと考えています。

そして更なる成長を実現すべく、お客様最優先のもと、『今』に満足することなく『さらに上を目指し』、『挑戦し』、『やりきる』ことが社員一人ひとりの成長となり、また会社の成長に繫がるものと確信しています。

今の仕事や課題、
これからのタイルメントについて
若手社員と話し合ってもらいました。

  • 木下取締役
    2001年入社
  • 須田取締役
    2002年入社
  • 営業部 H主任
    2014年入社
  • 営業部 Mさん
    2018年入社
  • 技術開発センター
    Y主任
    2011年入社
  • 技術開発センター
    N主任
    2012年入社
  • 大垣工場 Nさん
    2010年入社
  • 品質保証部 Tさん
    2019年入社

印象に残る仕事や手応えを感じた瞬間

【須田取締役】営業職で入社して大阪で床用・一般用をメインに扱って、そこから東京に転勤になったんですが、会社の人事でセラミック部門の営業統括を任された。重責で当初は驚きました。そのなかで今は主力製品となった弾力性接着剤を売ろうと考え、セラミック部門で売上20億円超えを目標に販売を強化したんです。ただし、当初は価格が高くてなかなか売れず、品質改良とコスト削減に取り組んで、逆に売れ始めたら、工場で製品が足らず欠品になる。それでも販売業績が伸びたので、工場や技術を含め経営計画で表彰をいただき、評価されました。それが一番印象に残る出来事です。
【木下取締役】私の場合だと、入社4年目に初めて新商品の起案を一任された。ネオストロングUという商品で、そこから別の商品も派生していった。パッケージの色も自分で決めていいなどの話も聞きましたが、商品化に挑戦できたことで、「入社4年目の若手に、こんな大きなチャンスをくれる会社なんだ」と強く思った。皆に平等に機会をくれる会社だと。その印象は今も変わっていません。
【営業部 H主任】私は、あまり成功事例はなくて、苦労した話になります。入社3年目、大阪支店で800Lプロジェクトの担当に抜擢された。未熟ながら、支店の先輩たちに協力してもらい、販売戦略を練り、活動を行い、その成果や課題を皆さんの前で発表して…結局、その仕事を4年近く担当しました。それまで経験したことのないことばかりで、大変でしたが、その苦労した経験が自分の成長に結び付いています。
【営業部 Mさん】ネオストロングUの販売を始めた頃に、ハウスメーカーやビルダーなど既存新規の顧客先を営業して回ったんですが、リストをもとに個別に回ったり、電話したり毎日繰り返したんですけど。なかなか話さえ聞いてもらえない日が続いた。やる気が少しずつ薄れてきた頃、それでも最後に飛び込んだお客さんに興味を持ってもらえて、受注できた。自分でも運が良かった、タイミングが良かったと思っていたんですが、先輩から「結局それも回っていなかったら、その運にも巡り合えなかったよ」と言われた。すごく腑に落ちたんです。諦めずに行動した結果が、小さいけど成果に結び付いたんだと。それが印象に残っています。
【大垣工場 Nさん】私が担当する設備保守では、トラブル対応の話が多いんですが、設備に何か起きた時に、自分のスキル不足で対処できない…というのは避けたい。だから、部署異動してからずっと勉強の連続でした。当初も今もトラブルに対しては「自分の知識と技術を生かすチャンスだ」と思う反面、不安もある。だから、常にスキルを磨く意識を忘れないように心がけています。
大きな事故で記憶にあるのは、フレックスマルチ専用の充填機があるのですが、それの動きを制御する電磁クラッチが壊れた時です。修理を試みたり他の充填機のもので代替したり…上司たちと懸命に対応した。結局、新しいモーターを取り寄せましたが、24時間体制で稼働している工場設備を止めるわけにはいかない。これは一例ですが、設備担当の仕事を通じて、その責任は重いし、手応えも感じています。 また設備が改良・更新されたことで、作業者の経験値、スキルが向上しました。
【品質保証部 Tさん】入社して主に担当しているのが試作業務で、試作を担当したおかげで、技術開発や生産課など他部署の人との会議、打合せとかにも参加して、連携して仕事ができている。製品づくりの問題点も見えやすいことがあって、中途入社ですがいろいろな人とつながりができて、学ぶことも多くて良かったです。それと昨年は、JISのサーベイランス(定期維持審査)があって、外部からの評価や品質への視点について知ることができた。私なりの品質への基準も客観的に分かってきた。新しい経験を積んでいると実感しています。
【技術開発センター Y主任】私は入社してすぐに開発部の配属になったんです。まだ開発の仕事とは何かも分からない新人の頃からいきなり新商品開発に挑戦させてもらった。担当した商品でヒットしたものはないんですが。初めは人前で喋るのも苦手でしたが、仕事を形にするには、社内でのミーティングやお客様への分かりやすい説明なども必要で、折衝などの面でも成長できたと思っています。
もう一つ、やはり「チャンスをもらえる会社」との印象は強いです。仕事のやり方も自由に工夫ができる。例えば実験データの分析について、統計的な思考を取り入れて、今までの実験評価をより適正にできる手法を活用したりしている。
【技術開発センター N主任】私もかつて開発部に所属していて、商品化には至らなかったんですが、軽量接着剤の開発に取り組んだ。将来は職人さんが高齢化するだろうから、床材用の接着剤の軽量化なども必要だろうと、未来を見越して取り組みましたが、コスト高などの理由で、実現はしなかった。ただ、原料の比重や占める体積を考慮することは接着剤の性能にも大きく影響すると感じ、その取り組みは現在の開発でもヒントとしていて、横展開している状況です。

仕事への自分なりのこだわり

【木下取締役】私は長らく営業職だったので、お客様がこの商品なら喜ぶなだとか競合他社の営業には絶対に負けたくないとか。そんな思いで仕事に取り組んできました。それがこだわりかな。
【須田取締役】木下取締役とはほぼ同年代でライバル意識もありました。社内でも「こいつには負けたくない」という気持ちはあった。
【営業部 H主任】まず考えるのは、お客様がどう喜んでくれるかです。新人の頃も「こういうことをやりたい」と上司や支店長に相談したら、「それはお前のやりたいことで、お客様のやりたいことなのか?」とよく指導していただいた。「お客様のために」が軸にある。その上で、自分が関わる人が全員、喜べる形は何かを考えています。
【技術開発センター Y主任】技術部門では、お客様に要求された内容をどう実現していくか。商品の作り込みの部分でこだわりは強い。社内での開発業務ではデータ処理などの効率化。具体的には試験の結果をまとめたグラフを自動化するなどです。
【大垣工場 Nさん】私が仕事の軸にしているのは「必要なものを必要な場所に配置する」「ムダを排する」の2点。必要な設備を必要な場所に導入するためには、現場の作業の流れ、製品容器の形状などを理解しておかないといけない。そして、ムダなく行動することが大切。
【技術開発センター N主任】私が思うのは、技術部門が何か動かないと、製品開発が始まらないことです。品質、作業性、製造工程など、どれも最初から関われるのは技術部門だけなので。だから製品の品質にはこだわらないといけないと思ってきた。また根拠があれば、工場や製造工程にも意見を出せる。例えば工場で負荷が高い作業があったら、技術で検証して、安全面で改善するなど。技術部門がモノづくりの要になっている、ということを意識しています。
【営業部 Mさん】いつも意識していることは、自分で受けた仕事は最後まで責任を持つこと。例えば自分がお客様からの問合せ電話を受けた時、関連部署に相談して回答をもらい、それをまたお客様に伝えるような場合も、外出の時間だからと他の人に対応を任せず、受けた分は自分で責任を持って完結させたい。そう思って対応しています。
【品質保証部 Tさん】品質保証はこだわりをしっかりと持つべき部署だと考えています。私の前職は食品会社で、他に医療機器メーカーから転職した人もいて。会社としても品質管理面を強化したいのだと感じている。食べ物を扱っていたので品質基準は厳しかった。社会の品質に対する要求はどんどん上がっていくので、今後はより厳しくなるでしょうから。そういう厳しい品質管理をしていた業種から来た人たちに、会社は品質面の向上も期待しているはず。基準づくりを先取りして、少しでも意見を出せたら。品質にこだわる信念を持って、仕事に取り組みたい。品質管理の面では一歩、他社よりも先を行っている…そんな将来像を描いています。品質の作り込みの部分で頑張って、会社の品質基準を上げていきたい。

チームワーク、組織の連携

【技術開発センター N主任】開発段階の相談でも、工場も話に乗ってくれます。ネオストロングUのダブルパック容器で、工場の設備担当者や生産課へ相談し、時間はかかりましたけど、機械充填が成功した経験がある。ダブルパック容器の件も、容器を採用してから機械充填まで3年かかりました。苦労しましたが、品質保証部や工場設備係の検証も含めて、すごく協力していただいた。それが結果としてチームワークかな。
【木下取締役】営業でも、工場の協力で助けられたことはあります。大口受注できた製品を「すぐに納品します」とお客様に約束しても、工場には在庫がない。そこで無理を言って工場で追加生産してもらい、助けてもらったとか。
今まで私なんかは、営業で自分の手柄だと思っていたものも、周囲のサポートがあったおかげだと改めて気づきました。
【技術開発センター Y主任】タイルメントでは、はっきり皆で助けようというのがなくても、自然と協力している感じです。
【大垣工場 Nさん】基本的には個人個人が、自分に割り振られた仕事をきっちりやる。それが前提で、自分の能力を超えると、他の人に相談という感じでしょうか。

描いている将来像

【須田取締役】「皆にチャンスをもらえる」「挑戦したいことをやらせてもらえる」など、この企業風土は残していきたいです。チームプレーも、さほど意識せずに協力している。
【木下取締役】「開発型企業に原点回帰する」という事からも、開発期間の短縮を進めたい。将来的には、現在の半分以下を目指す。
【品質保証部 Tさん】現在の品質保証部の業務は不適合品や苦情への対応が多くて、基準以下を順番につぶしていく段階です。もっと次の基準レベルに持っていきたいと思っています。将来的には、基準の下のレベルの話ではなくて、基準をさらに上げる、品質を向上するにはどうすればいいかを助言できる部署にしていきたい。営業部門や技術部門からの問合せも、ポジティブな内容で対応したいです。
【営業部 Mさん】営業経験も積んで、営業力を磨く。その上で、仕事では後輩に限らず、他部署からも困った時には「Mさんに聞いてみよう!」「Mさんに頼めば、問題を解決してくれるかな」と、信頼される存在になれたらいいです。
【技術開発センター N主任】今、ありがたいことに育児休業や時短勤務を取得させて引き続き技術開発センターで業務にあたらせてもらえている。ただ今のところ、家庭と仕事の両立ができていないと思っているんです。育児休業から復帰して2年ですが、まだ試行錯誤していて。仕事の効率化を含めて、仕事のやり方の工夫が必要と感じています。私の後から育休制度を利用する人たちの参考になるように、頑張らないと…と思っています。
【大垣工場 Nさん】設備係として、最大限に効率化された生産ラインを構築したい。機械や工場が好きなんです。以前は職人を育てること、多職能工の育成が会社にとって一番大切だと思っていたんですが、今は別の考えで。人よりも、まずは働く環境だなと。最適な設備投資と手順化で作業を簡略化すれば、どんな人でも最大の効率で仕事ができる。それが僕の理想の工場。そこに至るまではまだ足らないものがたくさんあります。
【技術開発センター Y主任】私は技術部門なので、シンプルに技術面でのプロフェッショナルになること。これまで設備材料部門以外は仕事を担当したことがあり、今はセメント材料まで触り始めた。全ての原料について仕事で関わっていますが、知識が浅いのが課題。それを全て深く関われたらと思っています。個人的には特にウレタンの可能性が高いと思っている。ウレタンと言わず、全ての原料を使いこなしていきたい。
【営業部 H主任】社長です。働く環境をどんどん改善できたらいいなと。新しいことをやりたい。そう思うと経営者になるのが一番早いと思います。例えば男性社員も育休を取りやすくとか、週休3日制にもしたい。
営業所で方法を試して成功体験を積んで、それを会社全体に反映できるようにしたいです。
【須田取締役】なるほど。ありがとうございます。
話を総括すると、みんなが働きやすい職場で、プライドを持って仕事に取り組んでいる。
それがよく分かりました。競合他社との競争があるので、当社に足らない部分も共通で認識できた。
それと目標とするのは、お客さまに「選んでもらえる会社になる」。
つまりお客さまにとってのパートナーになること。お客さまが困っている時に相談できる存在を目指したい。
そう思いました。
【木下取締役】皆と思いが一致したのは、開発期間の短縮、設備投資の問題。
利益を出すことで新しい仕事へどんどん投資できるようにしていきたい。
そのためにもヒット商品の開発を追求していきたい。
うちの商品はライフサイクルが長いのでヒット商品がでてくると息が長くその市場をリードできる。
創立70周年を節目に、さらに会社を前に進めていきましょう!
沿革