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エポキシ樹脂系接着剤 その2
エポキシ樹脂の水中硬化性と湿潤面接着
エポキシ樹脂は、高分子材料の中で性能のバランスが最も優れており、様々な分野で応用されている。特に、常温(室温)硬化が可能な各種アミン類と組み合わせた配合物は、取扱いが容易であり、所定の混合比で「混ぜ合わせる」だけで目的の性能が得られる、機能性に富む高分子材料である。そしてその硬化物は、概ね以下のような特性を発現する。
- 優秀な接着性。
- 硬化時の体積収縮が少ない。
- 硬化中に放出される揮発成分が少ない。
- 圧縮強度や曲げ強度などの機械的強度に優れている。
- 硬化物が強靭である。
- 電気特性に優れる。
- 水、溶剤や、その他の薬品に対して良好な耐性を示す。などである。
本稿では、特に土木・建築用途で接着剤として使用されるエポキシ樹脂に注目し、施工時に於ける水との係りの中で、水中硬化性と湿潤接着性について紹介する。
- 1.水中硬化性
- その言葉の通り、水の中で良好に反応硬化する特性を指す。通常の常温硬化型エポキシ樹脂はアミン系硬化剤を使用するため、アミンが持つ水に溶解する等の性質に大きく左右され、本来は、水の中では良好な硬化物が得られ難いとされている。昨今は、技術の伸展に伴い、ある種のアミン系硬化剤の中には水に溶解しないもの、或いは水の影響のないものが開発されており、これと組み合わせる事で、水中硬化が可能となっている。この水中硬化性は、水の有無に関係なく良好な反応硬化が進む性質であり、例えば、接着対象物の表面に水の「皮膜」が有っても無くても、関係なく硬化する性質であると言い換えられる。つまり、水中硬化性=水中接着可能とはならないのである。この問題を解決すべく、水中硬化性を合わせ持ちながら、且つ、反応硬化の時に水の分子を取り込んで硬化するタイプの、アミン系硬化剤が開発されている。即ち、エポキシ樹脂と接着対象物の間にある水分子を排除し、接着対象物に直に接着しようとしたものである。
- 2.湿潤面接着
- 水中のように多量の水が関与している訳ではないが、接着面が湿った状態でも水中硬化と同様に、水分子の影響でアミン系硬化剤の硬化障害と接着障害が起きる。この下地が湿った状態の事を湿潤面と呼称する。水中硬化型の事例ほどではないが、接着対象物との間にある水分子を取り込み硬化させる事で、湿潤面接着が可能となる。
- 水中硬化型の接着用途には、脂肪族系ポリアミン、若しくは芳香族系ポリアミン等をベースに、特殊な添加剤や活性剤を加えたものが使用される。また、湿潤面接着用としては、前述のアミン系硬化剤の他に、水に溶解する性質を一部に残しつつ、基本的な水対策を施した変成ポリアミドアミン等が使用される。この変成ポリアミドアミンは、前者に較べて、経済的に優れるものである。
主な用途
水中硬化、水中接着
水中塗料、水中ライニングなどの各種重防蝕用途。
湿潤面接着
- 土木...橋脚の耐震補強、高架道路の床板接着補強、舗装のジョイント接着など。
- 建築...浴室改修時のタイル張り、プールのタイル張り、その他改補修用途全般。
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